
<読書> 人間に生まれたからこそのお楽しみ
ホモサピエンスとは、知的な人、の意味。
著者の斉藤崇先生は言います。
人間のすごさは、知を仲間たちと共有し、のちの世に伝えていけること。
読書の喜びは人間に生まれたからこそ味わえるものだと。
「私はなぜ人間という生き物に生まれたのだろう」
ふとそんな問いを抱いてしまった時は、とりあえず、本を読んでみてはいかがでしょうか。
「好きな場所は図書館や書店」
という方が少なくないのは、ホモサピエンスをここまで生かし続けてきてくれた、「知性」という特徴ゆえなのかもしれません。
<読書> 読書で人間関係の達人に
読書は知識や思考を高めてくれるだけではありません。
斉藤孝先生は、読書の意外な効能も紹介されています。
それは「コミュニケーション能力」の向上。
一人静かに文字を読み進めていく読書とコミュニケーションは、一見対極にあるようにも思えますが、どういったしくみなのでしょうか。
文学とは、人間の一言では表せない複雑な感情の集合体です。
それを理解しようと努めることは、一人に人間と対峙しているのと同じこと。
文学を読むという行為によって、人の心の動きへの理解と深い教養を兼ね備えた人間的魅力を持つことができるのです。
<読書> まずはここから
最後に斉藤先生が進めるとっておきの読書のコツ二つをご紹介します。
その1「好きな文章を3つ」選んでみる
ご自身が主催されている小学生を対象とした塾でも、シェークスピアなどの作品から好きな言葉を選び発表しあうという授業をした際、子どもたちはとても盛り上がったそうです。
美術館を訪れる際にも
「自分の部屋に飾りたい絵を探すように観ましょう。」と言われること、よくありますよね。
好き、嫌い、心地よい、などの感情は、読書を深く楽しむために、とても効くお薬のようです。
その2 まずはレベルの高い本から
意外なのですが、読書に必要な集中力を養うため、特に読書慣れしていない人には「レベルの高い本」をなんとか最後まで読み切ってみることを勧められています。
これは私も納得できる体験があります。
以前、「英語の読解力をつけるためには自分の読解レベルでは少し無理目の作品を何とか一冊読み通すのがおすすめ」という英語学習サイトの記事を読み、チャレンジしたことがありました。
約一か月、つききりで英語のペーパーバックを読み切ったのですが、その後、日本語の本を開いた際の読みやすさといったら!
一瞬自分が天才になったのかと思いました。
昨今、ネットやSNSの発達で、人間の集中力は年々弱まり、金魚以下になっているらしい…
ちょっと危機感を感じますよね。
一日のうちの数十分でも、スマホから離れ、静かに紙の本を開いて文字を追うひと時を持つことは、実は人間進化にかかわるささやかな、でも確実な一歩かもしれません。
「読書する人だけがたどり着ける場所」を読み通した後、「本を読まなくちゃ!」と、蔦屋書店に向かってしまったのは、きっと私だけではないはず…
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