【死後の世界】最期の時あなたをお迎えに来る人は?E・キューブラー・ロス『死後の真実』(日本教文社)

★ 本

私たちの肉体は繭、本当の自己ではなく仮の住まい
死とはただ、一つの家からもっと美しい家へと移り住むこと、それだけ。
『死後の真実』の著者E・キューブラー・ロスは「死」をこう、定義します。
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【死後の真実】 E・キューブラー・ロス のこと

1926年スイス生まれの精神科医。

多くの末期患者をはじめとした数千人もの臨死の方たちとの交流から、生と死の際の人たちに共通する心の動きに気が付きます。

その後も臨死患者や自らの神秘体験を経て、死後もずっと続く「いのち」への確信を深めていきました。

彼女の研究や多くの著作は、今日の終末期医療やホスピスに生かされています。

【死後の真実】 肉体を脱いだあなたを待つ人

E・キューブラー・ロスの語る死は、美しい散文のようです。

繭である肉体は自らが修復不可能だと知った時、中に眠る蝶(魂)を解き放つ。

それが死であると。

私たちがこの世で学ぶべきことはただ一つ「無条件の愛」だけ。

そして繭(肉体)を脱いだ私たちを迎えに来てくれるのは…

E・キューブラー・ロスは、ある老婦人のエピソードを語ります。

死期を迎えたおばあさんが「彼がまた来てくれたわ」とつぶやきます。

私は何のことを言っているのかわからないので、何を見ているのと訊きます。

彼女は「あなたも知っているはずよ。小さな子どもだった頃、彼はいつでも私のそばにいてくれたわ。でも、ずっと彼の存在を忘れていたの。」と話してくれます。

その翌日彼女は亡くなります。彼女のことを心から愛し、待ってくれている人がいることを知って、喜びに満ちて逝くのです。    (『死後の真実』より)

小さな子どもが、目に見えない友達(大人は彼らを空想の友達と呼びます)と遊んだり話したりする場面はよく見られることです。

E・キューブラー・ロスは彼らを実在する霊的なガイドだといいます。

霊的ガイドとはこの世に誕生した時から死を超えた世界に移るまでを導いてくれる存在のこと。

霊的ガイドに守られていない人は誰一人いないそうです。

 

また、臨死体験から再びこの世に戻ってきた人たちの体験談には共通点があります。

あの世で最初に出会うのは私たちを最も愛してくれた人たち、

それも、この世でまだ生きている人に会うことはなく、すべてすでに亡くなっている人ということです。

ある女の子は存在すら知らなかった幼くして亡くなった兄とあちらの世界で会い、生還後両親に兄の存在を知らされたそうです。

 

『死』の世界は裁きの世界としておどろおどろしく描かれがちです。

たとえば針の山、血の池、少しマシなところでも煉獄、などなど。

けれど、『死後の真実』の中で語られる死後の世界は、

愛してきた人やガイドに導かれてその門をくぐり、その人にとって最も美しい道を通ってたどり着く、宇宙意識と呼ばれる光の根源です。

【死後の真実】私が思い出したこと

『死後の真実』は10年以上前に購入し、一度読んだきり、ほこりをかぶって寝室の本棚に並んでいました。

今回、読み返しながら思い出したことがあります。

私にもほんの小さい頃からずっと頭の中に浮かぶ知らない人がいて、かなり死に近い状態にある時は、その人の絵を何枚も描いていたことです。

彼(彼女?)がE・キューブラー・ロスの語る、私の霊的なガイドなのかな、との思いがふとよぎりました。

 

皆さんの記憶の底にも誰か、忘れてしまっている大切な人がいませんか?

夢の中に繰り返し出てくる、知らないのに懐かしい面影を持つ人はいませんか?

もしかしたらその人が、あなたが肉体から抜け出た後、導いてくれるガイドなのかもしれません。

【死後の真実】E・キューブラー・ロスの死

最後に不思議なお話を一つ。

E・キューブラー・ロスは生前、

「私は2003年、77歳まで生きる。なぜなら昔からそう思っていたから。」

と語っていたそうです。

そして彼女が亡くなったのは2004年8月24日78歳の時。

惜しくも1年と1歳違いですが、ほぼ予言通りにこの世を去ったのでした。

 

肉体を脱ぎ、魂の世界にいるであろうE・キューブラー・ロス、

今頃は自分が研究し続けてきたことの答えを知って、満足そうに微笑んでいるかもしれません。

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