敏感すぎる人、HSP(highly sensitive person)という概念が世に知れ渡って久しい今日この頃。
「私も…」
という方、沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
かく言う私もHSP診断テストの9割は該当するので「それだな」と認識しています。
HSPはたくさんの情報を取り込みすぎてしまうので、脳内がいつもパンパン。
感じ取りたくない相手の気持ち、たとえばかすかな視線の動きや声の抑揚を逃さずキャッチ。
流しておけばいい程度のネガティブ要素まで真に受け傷ついてしまう。
不安感が強く悲観的な方向に引っ張られやすいので、実際以上に悪い方向への想像が止まらなくなってしまう。
そんな揺れる気持ちを抱えながら決められた任務を遂行し続けなければならない社会生活、特に仕事時間は心が折れそうになることが少なくないと思います。
私自身かなり職場の空気に左右されてしまう経験をたくさんしてきました。
が、
ストレス少な目で働けた場所
心地よいなぁ…と思えた職場
少々の困難はありつつも続けることが苦にならなかった職場も確かにありました。
今回はそんなHSPの心と体に優しい仕事を思い出しつつ書き出してみようと思います。
1位 美術館の監視員
限りなくストレスゼロだった天国のような仕事は美術館での監視員。
美術館の展示室内で作品保護のため、室内を監視する仕事です。
美術館の隅にオブジェのように静かにいる、あの方たちのお仕事です。
監視員の任務はおおまかに
・作品を守る
・迷惑行為をするお客様にお声がけする
・館内の案内
・お客様からの質問に答える。手に負えないものは学芸員さんに伝える
の4つです。
そしてこの仕事の天国ポイントは次の3つ。
① 音やにおいが少なく、過剰な刺激がないこと
② 他の人との物理的な距離を遠めに保てること
③ 地雷的なスタッフが少ないこと。
HSPはただでさえ情報を拾いやすいので、物や人の多い空間は苦手という方が多いのではないでしょうか。
その点美術館は作品以外ほぼ物のない空間。
展示作品によってやや変動はありますが、照明も基本目に優しいもので光に敏感なタイプの方にも安心です。
また、勤務中は他のスタッフとの接触やお客様とのやり取りが少なめで、あまり人気のない展覧会や平日の空いている時間帯は瞑想ができそうな静けさです。
スタッフは女性ばかりで40~60代の落ち着いた上品な方が多かったです(こればかりは運かもしれませんが)。
2位 個別指導塾 (家庭教師)
大学生の頃から個別指導の学習塾、家庭教師の仕事を何度となく選んできましたが、どこもしんどさを感じずに円満退職まで働き続けることができました。
対ヒト、それも多感な小中学生ということで刺激が多いイメージを抱かれるかもしれませんが、一対一だと意外と子どもたちは大人しいです。
そして先生と生徒という距離感のある関係ということから程よい緊張感が保てるので、嫌な態度をとられて傷ついたなどの記憶はありません。
この仕事の天国ポイントは
① 静かで落ち着いた環境
② 自分の得意分野を生かすことができる。
③ 時間内に果たすべき目的がはっきりしている。
ちょっとしたことで自信を失いがちなHSPさんだからこそ、得意分野で勝負。
すでにある知識を生かしてわかりやすく生徒の喜ぶ顔を見ることができる塾講師はピッタリのお仕事だと思います。
また、講師ではありませんが、塾の裏方の教材作成の仕事も気持ちを揺さぶられることなくマイペースで楽しく働くことができました。
3位 植物の管理
なにげない一言、かすかな表情の変化を感じ取って一喜一憂してしまうHSPさん。
なので対人のコミュニケーション多めの職場は辛くなってしまう可能性大。
私自身も2カ月でギブアップしてしまったことがあります。
そんなHSP気質の私があるとき何となく挑戦してみたのが
植物園の管理
という仕事です。
仕事内容は
① 植物のお世話
② 少々のお客様対応
です。
この仕事の天国ポイントは
① 個人の作業がほとんど
② 植物の癒し効果を実感できる
③ 職場の雰囲気が穏やか、お客様も穏やか
です。
仕事の大部分は、植物への給水です。
スペースが広いので、複数スタッフと手分けしたとしても他の人の気配が消えてしまうくらい一人作業気分。
他人への気遣いでリソースを消費しないでよい分、仕事がサクサク進みます。
そしてフラワーセラピー、アロマテラピー、フィトセラピー、園芸療法等、植物の癒し効果を証明するかのように、植物園で働く方たちの優しく穏やかで明るいこと。
白雪姫に出てくる七人の小人のようなイメージです(体の大きさではありません)。
お客様にも
「きれいなお花を見せてくれてありがとう」
と、感謝の言葉を日常的にかけていただけるお仕事でした。
まとめ
さて、今回はHSP気質の私自身が心穏やかに過ごせた職種を挙げてみましたが、3つの仕事に共通することは
1 静か(少なくともうるさくない)
2 職場のメンバーが落ち着いていて穏やか
3 多数の人間と密接にかかわる機会が最小限
つまり、過剰な刺激がない職場、という結論にたどり着きました。
今後職選びをする機会があったら、思い出したいと思います。
そして、お仕事選びに今まさに悩んでいる方、爪の先程でもご参考にしていただけると嬉しいです。
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