いも虫恐怖症を克服できた3つの方法【ツマグロヒョウモンと過ごした夏】

50th days

突然ですが、あなたはイモ虫って、お好きですか?

蝶の幼虫の、もぞもぞ這って動く、葉っぱを食べる、あのイモ虫です。

形の気味悪さで嫌われる「不快害虫」として定義されるイモ虫

「大好きです!」

と答える方はもちろん、

「好きでも嫌いでもないです」

っていう方も少ないのではないでしょうか。

虫好きな子どもが大人になった私でさえも、イモ虫だけは恐怖でした。

姿を見かけるだけで自動的に悲鳴を上げてしまうようなゾクゾクする生き物だったんです。

それが、ほんの15分で!

イモ虫が怖くなくなって、数週間後には愛おしくてたまらないほどの存在に。

 

そんなわけで、今回はイモ虫嫌いを克服した3ステップをご紹介したいと思います。

お子さんやご自身の虫嫌いに困っている方のご参考にしていただけたら嬉しいです。

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イモ虫恐怖を治してくれた、幼虫ちゃんの紹介

まず最初に、私の芋虫恐怖症を治してくれたイモ虫をご紹介します。

成虫は「ツマグロヒョウモン」という蝶々。

だいだい色の羽に黒の模様が上品な小型の蝶々です。

そして、そのお子様の幼虫ちゃんがこちら

お母さんと同じく、だいだい色と黒ですが、かなりビビッドな色合い。

見かけたらかなりドキッとする外見なのではないでしょうか。

イモ虫が怖くなくなった方法その1 名前を知る

出会いは我が家の玄関のたたきでした。

朝、履き掃除をしていると、小指の先くらいの小さな黒いイモ虫が。

「うわっ」と声をあげて、つぶさないようにそっと外に履き出しました。

それからしばらくして、私は恐ろしいものを見てしまうことに。

玄関の扉横の寄せ植えのビオラに、十匹は余裕で超える黒い幼虫ちゃんたちがうごめいていたのです…

恐れおののく私の横から長男タクミが、グーグルレンズで幼虫ちゃんたちを撮影。

彼らの正体を教えてくれました。

「ツマグロヒョウモンっていう蝶の幼虫らしいよ。」

ツマグロヒョウモン…そういう蝶々になるイモ虫たちなんだ。

名前を知った瞬間、幼虫ちゃんたちは私の脳の中で、だいだい色と黒の気持ちの悪いイモ虫から、ツマグロヒョウモンの赤ちゃんという存在に変わりました。

わずかに恐怖が和らいだ瞬間でした。

イモ虫が怖くなくなった方法その2 好きなものを知る

ツマグロヒョウモン、という名前を知った私は、早速グーグルで検索。

幼虫ちゃんたちの可愛い特性を知ることになりました。

なかでも

ビオラやパンジーなど、すみれ科の植物の葉が大好物。

という特性が心をわしづかみに。

確かに幼虫ちゃんたちは、寄せ植えのビオラの葉以外は見向きもしていません。

あっという間に花盛りを過ぎて少なくなっていたビオラの葉は食べつくされてしまったのでした。

イモ虫が怖くなくなった方法その3 お世話をする

そんなある朝、玄関を開けると目を疑う光景が。

なんと、大好物のビオラを食べつくしてしまった幼虫ちゃんたちが美味しい葉っぱ探しに鉢の外にあふれ出てきていしまっていたのでした。

名前を知り、大好物を知り、悲鳴を上げるほどの恐怖を感じなくなっていたとはいえ、やはり大量のイモ虫が這いまわっている様子は鳥肌ものでした。

でも、このままにはしておけません。

意を決して軍手をはめ、幼虫ちゃんたちを一匹一匹鉢に戻し、裏庭に鉢ごと移動させ、園芸用のネットをかけました。

軍手越しに感じる幼虫ちゃんたちの身体はとてもやわらかく、頼りないものでした。

まさしく、赤ちゃんでした。

移動先の幼虫ちゃんたちはネットに上ったり他の花の葉に乗ってみたりしていましたが、やはり食欲はわかないよう。

 

そういえば…河川敷のあたり、春先、スミレが咲いてたっけ。

ふと思い出し河川敷を訪れると、ありました!

種をわずかに付けた青々としたスミレが。

 

それからしばらく、河川敷でスミレの葉を摘み、洗い、ネットの中の幼虫ちゃんに与えることが毎日の日課になったのでした。

スミレの葉は幼虫ちゃんもお気に召したらしく、嬉々として群がってむしゃむしゃ。

日ごと体も大きくなり、やがて葉の裏にぶら下がって動かなくなり、次々とさなぎになっていきました。

 

そしてとうとう、無事羽化した幼虫ちゃん第一号が美しいツマグロヒョウモンに!

ネットの内側で羽をばたつかせていることに気づき、タクミと二人でネットをそっと外すと

ツマグロヒョウモンはまだおぼつかない羽根の動きでよろよろと空に飛び立ちました。

しばらく庭の木を渡り飛んでいた若い蝶々は、やがて庭の外へはばたいていきました。

 

昨日、最後の幼虫ちゃんがさなぎになったのを見届けて、私のすみれ運搬業務も終了となりました。

すっかり静かになった鉢をのぞき込んでいると、胸のあたりがきゅうっと痛くなります。

たとえば子どもが一人暮らしを始めたりして家を出ていくのを見送るときのお母さんって、こんな気持ちなんだろうな…

毎日すみれの葉を摘んでは幼虫ちゃんたちに与えているうちに、こんなにも愛おしさを感じるようになってしまっていました。

幼虫ちゃんアルバム

最後に、幼虫ちゃんとの思い出を記録してまとめとさせていただきます。

7月31日 ビオラの葉に幼虫ちゃん発見

8月2日 幼虫ちゃんビオラを食べつくし鉢を脱走

玄関先から裏庭にお引越し

8月4日 冠水が起こるほどの大雨。

幼虫ちゃん、頑張って耐えました。

8月7日 久々の新鮮なスミレの葉に群がる幼虫ちゃんたち

8月12日 さなぎ第一号発見

8月13日 羽化第一号の蝶発見

このあと、次々とさなぎが増えていきました

8月19日 朝、最後の一匹の幼虫ちゃんが葉の裏にぶら下がり始めました。

夕方にはさなぎに。

脱皮したと思われる黒い皮がさなぎの下に落ちていました。

8月22日 さなぎの表面に脈状の模様がうっすら浮かんできています。

8月23日 空になったさなぎを採取しました。

 

 

粘度のある糸でしっかり葉にくっ付いています。葉を裏返してもそのまま立ち上がったまま。

 

引っ張ってもなかなか取れないほどのその強さに、幼虫ちゃんたちのひたむきさをひしひしと感じます。

さなぎには幼虫ちゃんだった頃の背中の小さなとげとげの形もきれいに残っています。

 

目を凝らして見つけられる限りの空のさなぎを探し、5つ採取。

まだ中で幼虫ちゃんが眠っているさなぎが二つあるのですが、さなぎになれたのは7匹だけだったようです。

鉢内部の土の上に目を凝らしましたが、亡骸と思われるものもなく。

大量に発生しているダンゴムシやアリたちが、さなぎになる前に力尽きてしまった幼虫ちゃんたちを土に返してくれたのかもしれません。

 

家の周りを歩いていると、時折ツマグロヒョウモンを見かけます。

ある時は目の前の葉っぱに留まり、ゆっくりと羽を上下に動かして生まれ変わった姿を見せてくれました。

もしかしたら、私のことがわかるのかな

わかったらうれしいな

 

蝶の目には世界はどのように見えているのでしょう。

コメント

  1. スイカ より:

    素晴らしい。とてもわかりやすい、芋虫の成長記録でした。人は得体の知れないものに怯える、みたいな感じで、恐怖の原因は理解が足りていないだけなのかも。いろいろ調べて、好物を運んであげて、成長を見守り、さなぎの抜け殻まで見届けてあげる果子さんの優しさと探究心に感心しました。子どもの力を信じて巣立たせる気持ちに、どこか通ずるかもしれないね。たしかに、パンジーにたくさんいる芋虫を、私も次に見つけた時は、このストーリーを思い出すことにするわ。

    • 果子果子 より:

      スイカさん、コメントありがとうございます!
      こわい画像付きなのに、丁寧に読んでくださって感謝ですm(__)m

      スイカさんのコメントにあったように、嫌悪感って対象を知らないことからくる部分が大きいのかもね。
      知っている人の立てる音は「賑やか」だけど、知らない人の立てる音は「騒音」みたいなね。

      スイカさんちのパンジーも芋虫ちゃんに大人気なのね。
      とはいえ、あまり数が多いと困っちゃうよね(^-^;
      とりあえず私はすみれ科の花は玄関先じゃなく、裏庭に植えようと思います笑

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